Business Media 誠:NEC、パナ、ソニー……家電業界を襲う“リストラ地獄”
日の丸家電はこのまま壊滅してしまうのか。NECが1万人の人員削減を打ち出したが、ほかにも大手家電メーカーが続々と人員削減や工場閉鎖を打ち出している。背景にあるのが超円高やタイ洪水、そしてスマートフォン隆盛のあおりを受けた携帯電話の不振だ。
「苦渋の決断をした」。NECの遠藤信博社長は厳しい表情で語った。2012年度前半に国内外のグループ社員約11万人のうち約5000人の人員を削減。国内工場で働く協力会社の従業員などを含めると削減規模は約1万人に達する見込み。
厳しいのはNECだけではない。パナソニックは昨年9月末時点で約36万700人だったグループ従業員を今年3月末を目標に35万人以下への削減を進める。
東芝も半導体を生産する北九州工場など3拠点を12年度上半期で閉鎖。計約1200人(昨年11月末時点)の従業員は原則配置転換で対応するが、異動できない従業員も出てきそうだ。
ソニーも子会社のリチウムイオン電池の組み立て工程を、中国とシンガポールの工場へ移すのに伴い、栃木事業所を設計・開発拠点に衣替えし、製造に携わる約500人の従業員の配置転換と希望退職募集を検討している。
家電メーカーは薄型テレビ市場が国内市場で地デジ特需がなくなって縮小。海外でも歴史的な円高もあってサムスンなど韓国勢に押されている。さらにタイの洪水で生産拠点が打撃を受けた。
そして急成長しているスマホ市場でもアップルのiPhone(アイフォーン)が圧倒的で、サムスンが追う展開。「国内メーカーはスマホに乗り遅れて国内市場でさえ失地回復できていない」(家電担当アナリスト)。NECのリストラも携帯電話事業の不振が響いたもので、ソニー・エリクソンの携帯電話事業も赤字に陥った。新たな稼ぎ頭がみつからなければ、今後もリストラ地獄が続きそう
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